東京高等裁判所 昭和58年(ラ)281号 決定
民事執行法附則第四条の規定による改正前の民事訴訟法第五四八条により、受訴裁判所が異議の訴につき裁判する判決において、さきになした執行停止決定を認可するとともに、これに仮執行の宣言を付した裁判は、あくまで判決確定までのつなぎの処分にすぎず、右停止は終局的なものではないから、右は改正前民事訴訟法五五〇条二号該当の書面にすぎないものと解すべきである。
ところで、相手方らを原告、抗告人を被告とする本件不動産強制競売事件の被担保債権の存在を争う請求異議事件(前橋地方裁判所高崎支部昭和五〇年(ワ)第八一号)において、相手方らは第一審としての勝訴判決をうけ、右判決には強制執行停止の認可とこれに対し仮執行の宣言が付されているが、右訴訟は抗告人の控訴提起により東京高等裁判所昭和五八年(ネ)第八四八号事件として審理中であることは当裁判所に顕著な事実である。してみると、原決定は、右判決の確定をまたずして、右第一審の判決正本をもって改正前民事訴訟法五五〇条一号の書面に該当するとして強制競売手続開始決定の取り消し、ならびに強制競売申立を却下する旨の執行処分取消決定をなしたのは、右規定の解釈適用を誤った違法があり、取り消しを免れず、本件抗告は理由がある。
(石川 武藤 寒竹)